トウキョウソナタ

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リストラで職を失った佐々木竜平は、そのことを家族に告げることができず、毎日同じ時間に家を出る。長男の貴はある日突然米軍に入りたいと言い出し、家を出てしまう。次男の健二は近所のピアノ教室の先生に惹かれ、反対する両親に内緒で教室に通いはじめる...

黒沢清監督による家族の崩壊と再生の物語。私は「ドッペルゲンガー」と「叫」を見ているが、今回はだいぶ趣きが違い、終わってみれば意外なほどフツウの作品だった。

家族の崩壊を描く前半は従来の作品と同じで、淡々とした展開の中に不気味さがあった。リストラされた竜平が公園へ行き、腰かける。近くには同じようにスーツ姿の男が何人か座っている。少したつとみんな立ち上がり、炊き出しの列に並ぶ。たまたま旧友が通りかかるが、彼もリストラ組。失業して三ヶ月も経つのに家族に言えず、頻繁に携帯電話の呼び出し音が鳴るように設定して多忙なビジネスマンを装っている。みんなが厳しい現実を隠して生きる様は悲しくもあり、可笑しくもある。

しかし龍平の家族はいったん崩壊してから再生へと向かう。壊れたまま終わるだろうと思っていたら退屈なハッピーエンドにたどり着いてしまった。監督は従来のファンを裏切って楽しもうとしたのだろうか。

公式サイト:http://tokyosonata.com/
評価:★★★★
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